独り旅と一人旅、時々日常

自転車で北海道一周したことメインで書いてきます。たまに雑記かも

北海道part9 アクティブお姉さん

八日目

 

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眼前にそびえる知床峠に登る。

 

その高揚感でいっぱいだった。

 

暗雲が立ち込め冷たい風が吹くなか、懸命に漕ぎ出した。

 

 

 

皆さんは知床峠についてどれくらい知っているだろうか。

 

「くまがたくさんいるところでしょ」

 

おそらくほぼ全員これくらいの認識だと思う。てか私もそれくらいしか知らん。

 

問題はそのクマである。

 

僕ら本州の人間が知るクマと北海道にいるクマは全くもって違うのである。

 

本州のクマはいわゆるツキノワグマで、体長110〜130cmほど。体重は50〜130kgほど。十分でかいし重い。

 

一方ヒグマ。体長200〜230cm。体重は150〜250kgほど。日本最大の陸上動物である。

 

 

でかい。デカすぎる。しかもこいつらは気性が荒い。そして時速60kmで走れるそう。

 

面と向かったら1000%死んでまう。

 

んで知床峠は、北海道最大のヒグマの生息地なのである。

 

 

 

そんなこんなでひたすら恐怖に包まれながら漕いだ。

 

 

 

噂によると、知床峠は反時計回りから進む方が斜度がきついらしい。

 

もし下りが苦手だったり、急な登り坂が好きだったりする人はぜひ反時計回りで。

 

 

 

正直、漕いでいる途中の記憶がない。

 

まずずっと霧が立ち込めていたし、ヒグマへの恐怖心を誤魔化す、そして近づいてこないように大声で歌を歌っていたからである。

 

一時間半ほどでついた。

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ずっとインナーロー(22段階の中で一番軽いギアね)で漕いでしんどかったくらい。あと寒かった。

 

まあそんくらいでついた。荷物も重かったけれども時間をかけて登ればいけないことはない、という感じの峠でした。

 

本当は「知床峠」て彫られてる岩があるらしいんだけれども、この時は寒すぎて全く気づかなかった。おかげさまで大して映えもしない場所でパシャリと。

 

下りは路面が濡れているためゆっくり下った。手がかじかむ中、ブレーキを握りっぱなしで下ること30分、知床自然センターに寄った。

 

 

ここでヒグマの剥製に触る。ゴワゴワした。

 

ものすごい安物のシャンプーを使ったあとの5倍くらいゴワゴワした。

 

 

 

体も暖まったのち、また下る。知床自然センターから下る場合はすぐ峠が終わる。

 

上りに比べればあっという間だけれども下りの方が神経使うからあんまり好きじゃありません。

 

 

そんなこんなで本日の寝床の呼人浦キャンプ場へ向かう。

 

時間に余裕があれば網走刑務所みたいな、なんて思ってホイホイ漕いだ。

 

 

途中、アイヌ民族博物館的なものがあったり、北方民族博物館とかもあったがこの時はスルー。

 

網走市街に入ると「網走刑務所」の看板が。

 

ロードバイクに鍵をかけ、意気揚々と刑務所へ歩き出した。

 

「ほう、こんな感じか。にしても雰囲気重いな。」

 

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ここでようやく何かがおかしいことに気づく。

 

「網走刑務所ってまだ使われてるんじゃないか」

 

ググる。やはり本物の刑務所だ。そりゃ雰囲気重いよ。

 

どうやら網走刑務所は、ガチの刑務所と博物館の二種類があるそう。

 

そんなんやったら先に言ってほしい。こえーもんあの雰囲気。知ってたら博物館の方しか行かないわ。

 

とか思いながら今度は正真正銘網走博物館へ。

 

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見たことある人もいるだろう。これが網走刑務所(博物館ver.)。

 

色々な展示があって面白かった。北海道の歴史を知れた気がする。

 

あと『ゴールデンカムイ』を読んでたらもっと面白かった気がする。つい先日ゴールデンカムイを20巻まで読んだのだけれど、もう一度行きたくなった。

 

網走監獄の造りとか色々見てみたい。

 

まあそれ抜きにしても1人で一時間ほどじっくり施設内を見れた。閉館時間が差し迫っていたため後半は駆け足だったが、2時間ほどあれば存分に楽しめるはず。

 

ぜひ、網走に行った際には網走刑務所へ。

 

その後本日の寝床、呼人浦キャンプ場へ。

 

ソロキャンパーが多く、賑わっていた。

 

ここのキャンプ場は、炊事場が広い、そしてトイレがある、ほんで無料てんでめちゃめちゃおすすめ。

 

芝生も綺麗だし。

 

 

 

できる限りチャリダーと話したかった僕は、ひたすら空いているスペースと共に自転車を見つけた。

 

「あ、渋めの自転車じゃん!これまたモンベルのテントだ!しかも高いやつじゃねこれ!」

 

「あれ、てことはオレみたいな学生じゃないか。いやでも30前半のハンサム寄りのイケメンのお兄さんかも!」

 

なんて思いながら話しかける。

 

 

 

おじいちゃんだった。今回もおじいちゃん。

 

何?若い人ってみんなバイクしか乗らないの?そもそもこんな感じで外に出ることとかないの?

 

なんて思ったけれど、そんなことおじいちゃんに言ったところで意味がないので普通に会話をした。

 

このおじいちゃんは神奈川出身で、お盆休みを使って北海道に来ているそう。

 

んでこのおじいちゃんと楽しく話していたら、いつの間にか隣のお姉さんと話してた。

 

どうやらこのお姉さん、年は23(2019年当時)、神奈川出身、学生時代に全国を周ったそう。

 

すんげーアクティブ。女性で長距離旅ってなかなかいないよね。

 

どうやらこのお姉さん、全国津々浦々周った結果、「北海道がいちばんええ」、ということで釧路に就職したそう。

 

ふむ、場所メインで仕事を探すのもありなんやな、なんて色々考えさせられた。

 

おすすめスポットなり何なり3時間ほど話すと、周りが徐々に静かになっていった。

 

網走湖の波、奥に見える山々、湖に反射する月光を見ながら感傷に浸り、お互い明日の準備をして眠りについた。

 

八日目

 

走行距離:118km

 

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