北海道part10 能取岬へ。
九日目
本日はアクティブお姉さんおすすめの能取岬(のとろみさき)へ。
そもそも有名な岬にしか行くつもりがなかったものの、日本全国を周っているお姉さんからおすすめされたスポットとあれば行くしかないい。
前日にお姉さんが携帯で撮った写真を見せてもらったのだが、非常に綺麗だったのだ。しかも無加工てのがやっぱり惹かれた。
てことで向かう。
てか一週間ぶりの晴天。初日は晴れだったものの、それ以降はずっと曇天だった。
走りやすいというメリットはあるものの、いかんせん写真映えがしないため少々飽きていたのだ。
んでここにきて晴天。
最高だった。木漏れ日が差す林道を30分ほど登るとどうやら能取岬の看板が。
看板の表記通り右折し、数百m進むと急に視界が開けた。
ここが能取岬の入り口だ。ちょっとした登りのご褒美、そして一週間の曇天の中のツーリングを一瞬で払拭するような景色だった。
右手には昨日通過した知床連山、左手にはこれから通る海岸線が見えた自分の努力の跡が見えたような気がし、嬉しさが込み上げると同時に、これからもまだ旅は続いていく、ここで満足してはいけないんだ、と思わせてくれた気がする。
正直この写真も十分キレイだけれど、実際に僕が見た風景には程遠い。
もちろん、僕が自転車で、自力で漕いだということ、そして昨日の夜に出会ったお姉さんとの偶然の産物だということが重なり、記憶の中で補正されている部分はある。
それでも実際に見ればもっと圧巻な景色だと思う。この風景は五感で感じて欲しい。そう思えるほどの風景でした。
P.S. ちなみにこの自転車が写っている写真はいまだに僕の携帯の待受です。たまらん。
感傷に浸りながら、それと同時にこれからの旅への高揚感が高まりながら、思い切りペダルを踏み始めた。
残りは本日の寝床に向かうのみ。
途中にはサロマ湖があった。
ご存知サロマ湖。まあでけえ。
昼食はホタテバーガー。サロマ湖はホタテが有名なんでぜひ道の駅的なところに立ち寄ってほしい。おいしかったです。
んで本日の寝床、道の駅おこっぺ。
道の駅に併設されている車両の中に無料で宿泊できるのだ。しかもコンセントもある。銭湯も近くにある。至れり尽くせり。
しかも今回は自転車があった。またまた交流ができるのだ。
もうこの時にはすでに、寝床で「どんな人と会えるかな、どんな話が聞けるかな」みたいな感じで交流を楽しみにしていた節がある。
そしてその自転車、やたらごつい。キャリアが前後についていて装備が尋常じゃないほど多い。
「もしかして日本一周か?」なんて期待をもって中に入る。
明らかに軽装備な坊主の方が1人、床で佇んでいる。
「絶対この人じゃん。めっちゃ顔優しそう。てか雰囲気がもう菩薩やねんけど。」
なんて思いながら「もしかして日本一周してるんですか?」て興奮気味に話しかけた。
正解でした。
このお兄さん(以下キチブンさん)と何だか少し話すうちに意気投合し、一緒に銭湯に行き、スーパーに行き、夜ご飯を食べることになった。
外のテーブルで2人で夜ご飯を食べながらワイワイしていると、どうやらここに泊まるライダーさんが続々現れた。
キチブンさんがうまく話しかけ、最終的に6人で談笑していた。
社会人でお盆休みを利用して旅をしている2人組ライダーや、よくわからないけどとりあえず山形かどっか出身の社長さん、そしてまたまたよくわからんおっちゃんらの6人。
各々色々な話が聞けた。当たり前だけれども、どの人に聞いても同じエピソードはなかった。
特にキチブンさんは日本一周も佳境に入っていて、さまざまなことを体験していて話が面白かったし、ためになるしでよかった。
しかも夜ご飯の買い出しに行った時に、謎に奢ってもらった。
「若いんだから奢ってもらっとき」
いやいやいやいや。日本一周でお金たくさん使うんだから逆に俺に奢らせてくださいよ。せめて自分の分は払わせてくださいよ。
的な感じのやりとりをし、結局奢ってもらった。いや、頭上がんねえよ。かっこ良すぎるやろ。あれやな、俺の将来の夢は「旅の途中で自分より若い子に奢る(恩着せがましくないように、スーパー格好良く。)」ですわ。頑張ろ。
楽しい夜は一瞬で終わり、翌朝。
めちゃくちゃに遅い僕の準備を待っていました。
いや、キチブンさん優しすぎるだろ。かっこええて。結婚して。
そして朝ごはんを食べるためにキチブンさんと2人でコンビニへ。この時も奢ってもらいました。ほんとにかっこいい。
朝食後、お互い逆方向に進むためお別れの時間。
僕なりの精一杯のエールを送って出発した。
「ありがとうございました。どうか無事に日本一周を成し遂げてください。」と。
九日目
走行距離:130km