北海道part6 国際交流日。そして最東端へ。
五日目
朝から迷った。
二日間お世話になったネットカフェを離れ、電車で釧路湿原へ行くため東釧路駅へ。
そこで事件。東釧路駅が見つからないのである。
ナビを使った。しかしGoogle マップに目的地付近と言われたため、見つかってもないのにナビを切られたのである。
ああ、これがカーナビに裏切られたときの父の気持ちか。なんて。
とぼとぼ10分ほど探すとようやく見つかった。
これが東釧路駅である。平家である。釧路駅がわりかし大きかったためもう少し大きいと思っていたのだが全く違った。
suicaで「ぴっ」とできるようなものはなく、ただ線路があるだけだった。
「どうやってお金払うんやろ」
そう思いながら、とりあえず乗車。
何を隠そう、この電車はワンマン電車だったのである。
してぃぼーいの僕はsuicaでピッとしたことしかなく、めちゃくちゃ焦っていた。
「乗車時には整理券を」
なんて書かれているけども、とっていない。
小銭もない。
払い方がほんとにわからなかった。
諦めて車掌さんに払い方を聞き、がんばった。
簡単に言うとバスと同じなのだが、はじめて乗る方は100%わからんので体験してみてね。
東釧路駅から15分ほど揺られ、ついに釧路湿原駅へ。釧路湿原には実はいろいろな展望台があります。
今回の釧路湿原駅は、細岡展望台なるところに最も近い。
てか各展望台がどちゃくそ離れている上に、実際に湿原の遊歩道を歩けたり歩けなかったりと、場所によって全く異なってくるので、行く方は要注意。
ちなみに僕が今回行った細岡展望台は、遠くから見るのみ。
旅のスケジュールによってどこを選ぶかだいぶ変わるから事前準備が必要。
僕はこの日の予定が詰まっていたのに加え、アクセスのしやすさを考えた結果ここに。
釧路湿原駅。正直ここの駅の外観を見るだけでも行く価値はありそう。
この駅で降りたのは僕と中国系の方の2人だけだった。この人はひたすら駅の写真なり、一車線の線路なりを撮っている。
そんな写真とる?てくらいに撮ってたので、せっかくなんで話しかけた。
「写真撮りますか?」
「おー、ありがとう。じゃあ僕も撮ってあげるよ。そうだ、一緒に撮らないかい?」
ということで2人で自撮り。その後話していると、この人は「日本の田舎の駅が見たかったんだ」て言ってた。
どうやらこの方、展望台には行かずにそのまま次の電車で帰るそう。
「この先に素晴らしい湿原を見れる場所があるんだよ!」と言おうとした。
しかし全く英語が出てこない。
「この先、humidなlandをviewできるplaceがあるんだよ!」と。
ルー大柴か。
「humidなplace?どこにでもあるやん。てかすでにここもhumidじゃん。」ていうツッコミをされると思いきや、彼は優しく、「今日は予定が詰まってるんだ。だから次の機会に。」
みたいなことを言ってくれた。英語を勉強しようと思いました。
彼はまだまだ日本を観光するらしいので、福島県の名所、鶴ヶ城をおすすめして別れた。
本当は出身の福島市をおすすめしたかったんだけど、特に思い浮かぶ場所もなかったため、会津にした。無念。
彼との別れたのち展望台に向かう。この時、携帯で「湿原」の英訳を調べた。
"Wetland“
そんなこんなで細岡展望台に。
見渡す限り人工物はなく、雄大な河川が流れていた。護岸工事がされずに大きく蛇行していた釧路川は、太古の景色そのままのように感じられた。
正直、この写真では魅力をちっとも引き出せていないのが残念。実際に見て欲しい。
てかあれだね、この写真全然川見えないね。
蛇行してるかすら見えないね。写真撮るの下手くそだな。誰だよこんな写真とったの。
そもそも僕は、「ブラタモリで取り上げられてたらしいし」的な感じで適当に観に行ったのだが、この景観に一瞬で引き込まれてしまった。
次回はゆっくり遊歩道を歩こうと思えるほど良かったし、確実に違う展望台で、新たな楽しみをしに行くと思う。
ここからまたスタート。
本日は140km近く走る予定。最東端の納沙布岬(のさっぷみさき)まで行き、そこのライダーズハウスに宿泊予定。
このライダーズハウスが17時までにチェックインしないと行けないため急いだ。
この後はぶっちゃけ全然覚えていない。体の調子が良かったためか、ひたすら自転車を漕ぎ続け、ろくな休憩も取らずに進んでいたからだ。
もう少しゆっくりでいいから、道を、景観を楽しむのもありなのでは?と思う方もいらっしゃると思います。
まあでも僕は単に走るという行為も好きなのでこの日はそれを楽しんでました。
まあそんなこんなで根室市街に。
「やっとついた!」なんて思ってからまさかの「残り20km」とナビ。
自転車乗りは特にわかると思うんですが、「後何キロ」なんて言われて頑張って出し切ったのに到着してない時の絶望感て半端なくないですか?
筋トレはまあ気持ちよく追い込めるし一瞬で終わるからいいんだけど、自転車だと一時間かかることもあって、苦痛です。
一時間、ちんたらちんたら走り続け、ようやく最東端、納沙布岬へ。ちなみに道中シカいました。
海を見渡しながら達成感に浸っていると、なんだか大きく手を振っている自転車乗りが。
同じ自転車乗りとして気になった私はすぐそこへ。
話しかける。オーストリア人の女性でした。
この方、「北海道一周したくて来たの!」なんてキャピキャピ言ってた。オーストリア女子すげえ。超アグレッシブじゃん。
そして、写真を撮ったり、自撮りをしたりなんなりしていると、
「あれなんて書いてあるの?」とオーストラリアの女性。
「北方領土を返せって書いてあるよ」と僕。
「え、なんで?あれロシアの領土でしょ?」
ついうろたえてしまった。日本では、というか僕は「北方領土は日本のもの」なんて思い込んでいたからである。
そりゃ、オーストリアはロシアに近いし、ロシア側の意見の方がしっくりくるよな、なんて思う。
(北方領土に関して見識がある方は是非教えて欲しいです。)
実際にどうであれ、今の僕の英語力では詳しく話せないし、話せたところで日本の印象を悪くするのは避けたい。
「なんでだろうね」なんて曖昧な返答をしてしまった。悔しかった。自国のことさえ理解できていない、説明できるようにならなきゃな、なんて思った。
というかあのモニュメントに「返せ!北方領土!」なんて入れる必要なくないか?
ロシア人の方がきたらそれこそ喧嘩になるのではないか、と。
おそらく、このような歴史を風化させないために彫ったんであろうが、海外の人が来る場所に書いたら国際問題に発展しかねないぞと思う。
まあ、もしかしたら現地でのディスカッションが目的なのかもね。
その後すぐ、今夜の宿、「ライダーハウス鈴木」へ。
ママチャリがある。皆思い浮かぶであろうママチャリが。
明らかに宿泊者が停めるような場所に置いてある。がしかし、北海道をママチャリで回る人なんてさすがにいないだろう、そう思い宿に入る。
軽く説明を聞き、寝床を確保した。明日の準備をしていると、続々人が入って来た。
髪を結っている男性が入って来た。ダンディ。どうやら僕のことを見ているようだ。
「おもての黒いロードバイクはきみのかい?」
「そうです!お兄さんは何でここまで来たんですか?」
「ママチャリだよ」
そう、おもてのママチャリはこのお兄さんのだったのである。
聞けばこのダンディさん、普段は海外勤務で、一ヶ月の長期休みが取れたため、思いつきで北海道一周することを決めたそう。
鹿児島出身だそうで、北海道はなんら関係がない。札幌についてからママチャリを買ったらしい。
とんでもない人もいるもんだな、そう思いながら話していると、若めのお兄さんとも合流。
この方は北海道を歩いて一周しているそう。和歌山のお兄さんは、「このまま毎日同じ仕事をして歳とっていくんは違う、旅をしよう。」ということで今回の旅に。
にしても2500kmを徒歩でって半端ない。ちなみにこの方は和歌山出身。
僕が今住んでいる滋賀に詳しく、北海道で関西ローカルの話で盛り上がった。
そしてこのお兄さんにキャンプ飯のノウハウをご教授いただきました。
さらにこの日は、「Clover」というアーティストのライダーハウス特別ライブが。
日本全国を車でまわって活動している方々。この日は様々な出身の人がいたため、地元のイメージに合わせた曲を歌っていただいた。福島とか鹿児島とか和歌山とか。
良かった。写真撮ったんですが、ブレっぶれだったんで載せません。
今もCloverさんはどこかで頑張っているよう。陰ながら応援してます。
今日も今日とて濃い1日だった。
朝から英語を使う羽目になり、意思疎通がうまく図れず悔やまれた。しかも夕方にはまた英語を話す機会があったし。
僕ら日本人は、日本に住んでいる限りは日本語以外使わないで済む、そう思っていた。
けれども一度視野を広げれば、外国人はたくさんいるし、やっぱり英語がコミュニケーションツールとして必要だな、なんて思った。
五日目
走行距離:142km